子どもの貧困と対策

子どもの6人に1人が貧困状態。対策を考える。

子どもの貧困状態の実態

2012年の厚生労働省、「こどもの貧困率についての調査」によれば、現在、日本で貧困状態にある子どもは16.3%、6人に1人が貧困状態にあるとのこと。

↓記事引用

日本経済新聞

厚生労働省が15日まとめた国民生活基礎調査で、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合を示す「子供の…

ここでいう子どもとは、17歳以下の子どもであり、およそ2000万人のうち300~400万人程が貧困状態になっているという統計です。

貧困状態とは、日本全世帯の可処分所得の中央値の「半分」に満たない世帯のことをいい、具体的には世帯の可処分所得が122万円未満の世帯となる。月にすれば10万円ほどの手取り収入。これでは一人暮らしでもキツイと想像するが、子どもがいて月10万円。相当キツイ。

子どもの貧困率の平均は16.3%であるが、都道府県別にみれば、高い順に以下のとおり。
沖縄37.5%
大阪21.8%
鹿児島20.6%
福岡19.9%
北海道19.7%

沖縄など3人に1人以上が貧困状態にありロクにご飯も食べられない家庭が相当数あるのでしょう。1クラス40人なら10人以上が貧困状態にある。

逆に子どもの貧困率が低い都道府県5つは以下のとおり。
福井5.5%
富山6.0%
茨城8.6%
滋賀8.6%
島根9.2%

福井、富山など北陸は貯蓄率や教育水準も高い傾向にあるなど堅実な県民性なのでしょうか?
それでも子ども20人に1人が、世帯の手取り収入がおよそ10万円以下で生活する貧困状態にある。1クラス40人なら、平均2人がそんな生活。

なお悪いことに子どもの貧困率は上昇傾向にあり、1985年は10.9%であったものが2012年には16.3%まで来ている。

国際比較でみても日本は先進国の中で子どもの貧困率が高く、ざっと以下のような感じ
・子どもの貧困率5%未満→デンマーク、フィンランド
・子どもの貧困率5~10%→ノルウェー、ドイツ、スウェーデン
・子供の貧困率10~15%→オランダ、イギリス、フランス、ニュージーランド、オーストラリア、カナダなど
・子供の貧困率15~20%→日本、イタリア、ポルトガル
・子供の貧困率20%超→アメリカ
※厚生労働省「国民生活基礎調査」より

貧困状態にある子どもはどんな生活を送っているのか?
程度の差はあると想像するが、実際に「食事は1日1回、学校の給食のみ」「家庭内暴力(親からの虐待)」「犯罪に走る」「家庭崩壊」「自殺」・・・そんな陰鬱な空気に包まれている。

貧困状態にあるとされる子どもは大学進学率が2~4割程で、全世帯の約7割と比較し低くなっている。大学がいいか悪いかは別として、大学卒に比べ、高卒までの平均収入は2~3割程低いという統計がある。

貧困状態にあった子どもは大人になっても収入が低い傾向にあり、悪循環にはまっているとも言える。

子どもは何も悪くない。なぜならまだ社会に何も影響することができないのだから。貧困状態とされる生活を強いている大人に責任があるし、こういう問題こそ改善・改革しないといけないと思う。

子どもの貧困状態をつくりだす原因

子どもの貧困状態を作り出す原因は、非正規社員の増加や母子世帯の増加と言われる。とりわけ母子世帯のうち半分以上は非正規社員であり、平均年収は180万円程。これでは大学まで行こうという気にはなりにくいでしょう。

根底には日本全体を取り巻く景気低迷があり、会社と従業員との関係性の希薄化からのリストラなどもひとつの原因と思われる。

超高齢化による社会保障費の増加→社会保険料(年金保険料、健康保険料など)の上昇で、額面年収は変わらなくても可処分所得はどんどん減っていきます。

じり貧、というやつですね。

子どもの貧困状態を解消する「新・郊外型雇用施設スキーム」

根本的には、日本の景気停滞及び超高齢化社会による世帯の可処分所得の減少という問題があり、それを打破する政策・対策が必要なのだと思います。

ここからは勝手に考えた稚拙なアイディアですが一応似たような発想の論文もあるようです。

地方都市の中心市街地再生・郊外農業社会整備プロジェクトの構想(PDF)

たとえば郊外の土地の安いところに自治体連携のもと、地域の特産物などをつくる雇用施設をつくる。会社の寮のような共同住宅も備え、住居費は極力抑える。郊外でも稼げるオンラインサービス系のビジネスまたはコールセンター等も設置する。優れた経営者のもと収益化し、十分な世帯年収が実現できるようにする。

生産する地域の特産物は首都圏や海外に販売したり、6次産業化により集客につなげたりオンラインで販売する。

子どもの教育にも力を注ぎ、高い教育水準を目指す。高い教育を受けた子どもは大人になってもその自治体に貢献することになるなど好循環が生まれる。

母子世帯でも共同住宅内で支えあう仕組みがあり子どもが非行に走ることも少ない。

地方創生につながり、自治体の税収が増え、生活保護等の社会保障費が削減され、東京一極集中が緩和される。

同様のコンセプトで、まだまだ元気な60代の元会社員などの収益雇用施設もつくり、もともと過疎気味だった自治体に人口集約型の街をつくる。

コンパクトシティ的に、その自治体の中心部は活性化され、より郊外は大規模農業等の用地とし、土地用途の明確化によりインフラ維持費の削減、自治体運営の効率化につながる。

各自治体の財政が健全になれば国のプライマリーバランスも改善、豊かなニッポンが醸成される。

もう一回言い直すと、
都市部などで子どもが貧困状態にある世帯(とりわけ母子世帯)などが、郊外型収益共同住宅に移り、自治体と優れた経営者のもと特産物などの農業やオンラインサービス、コールセンターなどのビジネスで結果的に世帯収入をあげ、子供に高い教育の機会を用意し、近所づきあいの多い安心できる環境を用意する。→コンパクトシティ的に発展させ、自治体、国の財政が改善→国民生活が改善する。

まずは小さくテストを行い、上手くいくようなら拡大する。

↓2015年の調査では、子どもの貧困率は2012年調査時の16.3%から13.9%へと改善しているとのこと。

日本経済新聞

平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす17歳以下の子供の割合を示す「子供の貧困率」が、2015年に13.9%だったことが…

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