過去約25年間の投資シミュレーション(エクセルツールあり)


無視できない投資の効果

ライフプラン(キャッシュフロー表)を作成するうえで、重要な検討項目のひとつが金融資産運用です。

今回は長期・国際分散投資がテーマです。

ケース1
たとえば、若い方が30年後までに老後資金として3000万円貯めたいとします。銀行預金系年0.5%で運用するとして毎月77,257円づつ積み立てる必要があります。

それがもし、年3.0%で運用できると毎月51,481円で済みます
それがもし、年5.0%で運用できると毎月36,046円で済みます
それがもし、年7.0%で運用できると毎月24,591円で済みます
(税金は考慮せず)

ケース2
たとえば、定年退職された方が3000万円を銀行預金系0.5%で運用しつつ毎月20万円づつ取り崩せば12年5か月でなくなります。60歳定年なら「72歳」で資金がなくなります。

それがもし、年3.0%で運用できると15年8か月(75歳)までもちます
それがもし、年5.0%で運用できると19年7か月(79歳)までもちます
それがもし、年7.0%で運用できると29年9か月(89歳)までもちます

金融資産の想定運用利回りは生活設計において非常に重要なことがお分かりいただけますでしょうか。


一般的に日本では資産運用といえば怖いというイメージを持っている方がほとんどではないでしょうか。

1970~1980年代は10年定期の年利回りが10%前後もあり、それ以外に資産運用の必要がなく、また、バブル崩壊以降はデフレの時代が続き、物価が上がらなかったために低利の銀行預金でもあまり問題になりませんでした。

海外に比べ資産運用の習慣が根付かなかった理由はこの辺りにあるのではないでしょうか。

資産運用に対する基本的な知識が不十分なため、近年の401K(確定拠出年金)や、NISA制度があってもライフプランを見据えた長期的な視点で資産運用を活用できている世帯は少ないように感じます。

ここで紹介する長期・国際分散投資の基本は過去の日本株、外国株、日本債券、外国債券、外国リート(不動産投資信託)のデータに基づき、より信頼性の高いミドルリスク・ミドルリターンを狙う試みです。

また、資産運用は個人の「リスク許容度」に応じて戦略を変える必要がありますので、基本を押さえつつ、積極的に運用したい方はよりハイリスクハイリターンを検討し、安定志向の方はよりローリスクローリターンの戦略を検討されると良いと考えます。

なお、ここでの「リスク」は危険性という意味でなく、「不確実性」を意味します。リスクが低いということは確実性が高いという意味ですね。


過去25年間のリターン
この図は日本株、外国株、日本債券、外国債券、外国リートのインデックスの各年利回りです。インデックスとはその投資先カテゴリのすべての平均を意味していると考えてOKかと思います。日本株のインデックス指標はTOPIXです。これは東証一部に上場している企業の株全部ということですね。

日本株の1990年からの平均利回りは1.3%です。

その年によってプラスマイナスありますが、仮に何も考えず毎年100万円を投資してきたとします。累積2700万円の投資に対し、3583万円になる計算です。(税金、運用コスト考慮せず)

日本株は低成長と言われながらも一応プラスの結果です。

踊らされる性質

人間は踊らされる性質があり、まわりで運用の成績が良いと聞くと自分も資産運用を始めたくなります(^^;)。

仮に、バブル崩壊時の1990年に1000万円を日本株(TOPIX)に投資したとします。1年でいきなり400万円弱が消え、606万円になります。

その後も300~600万円台を上下しつつ、2015年は746万円までいきますが、2016年に入り650万円にまで落ち込みます。これは最悪のケースですね。

長期積立投資

投資で大切なのは安い値段で買って、高い値段で売ることです。

とは言っても、いつ資産運用を開始して良いか分からない。

過去のデータに基づけば、ある時点で一気に投資するよりも、毎年〇〇万円など時間をかけて投資を行う方がリターン見込みは落ちますが、リスクを抑えられることが分かります。

分散投資

また、金利が上がる局面は経済の好調さが一因であり、株価が上がる。逆に金利が上がるとき債券は価格が下がるという性質から、株と債券は逆の動きをしがちであるという理屈があります。

様々な要因がありますので必ずしもそうなりませんが、株と債券、そして国内外の資産に分散投資をすることで戦略的なミドルリスク・ミドルリターンを狙えるのではないかと考えます。

為替について

表の利回りはすべて円ベースです。
円ベースで考えれば、円安局面(主にドル高局面)では外国の資産を持っていればいい

為替を考えると混乱してくることがありますが、個人としてはこの考え方だけあれば良いと思います。

分かりやすいところで言えば1995年~1998年及び2012年~2015年は円安局面ですので、外国株、外国債券、外国リートは比較的高い利回りを示しています。外国資産の5~7割程は為替の影響があると言われています。

リズム

2007年にはサブプライム問題がありました。
2008年にはリーマンショック。
それ以前の2003年から2006年は全体的にパフォーマンスが良い
それ以後の2009年から2015年も全体的にパフォーマンスが良い

分散投資をしていると数年おきに大きなマイナスがある感じです。そういうリズムがあります。
たとえば10年間ずっとプラスというのはありませんね。

そういうつもりで資産運用を続け、始めるタイミングはできれば株価が落ちているときが良いのでしょう。そう考えると2015年は投資を始めるタイミングには適していなかったかもしれません。

資産運用をはじめるのはこの1~2年の間が良いのかもしれませんね。

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