建設工事保険

建築工事に関わる損害保険についてざくっと全体像を教えてもらえますか?

建築工事と損害保険は関係が深い!?

損害保険は偶然かつ突発的な事故によって何かしらの金銭的損害を被った場合に、保険金にて損失補てんを受けることができる金融商品であり、とりわけリスクの高い業種の一つと言われているのが建設関係です。

工事中は重機や車両が入ったり、同時に元請会社や複数の下請会社の方々が入り乱れて作業をしていたり、高所での作業があったり、酷暑の中の作業や、自然災害など、モノ損害のリスクに加えて従事者のケガや通行人等への賠償事故など様々な関係者およびリスクが混在しているのが工事現場だとも言えます。

したがって、工事業者の多くは賠償責任保険に加入していますし、一定金額以上の賠償責任保険に加入していないとそもそも受けることができない仕事もあるようです。

特に近年は、工事の発注者や元請のゼネコン、案件の種類によって下請会社の賠償責任保険の加入義務化が進んでいると感じます。

とはいえ、どんな保険が必要でどんなリスクに対応できるのかイマイチ分かりにくい部分もあるので、建築工事における損害保険をざくっと網羅的に紹介してみます。

 

建設工事保険、組立保険

いわゆるモノ保険です。

工事の目的物である建物や資材、仮設物などを対象にして、火災や自然災害で損害を被った場合、再度調達するための費用を保険でカバーします。

基本的には請負金額を保険金額として元請会社が契約することになります。

 

請負賠償責任保険

建築業者にとっては最もポピュラーな保険かと思います。

作業中に他人にケガをさせてしまったり、他人の財物を損壊してしまった場合のための保険です。

他人にケガをさせてしまったら、その治療費や休業損害、慰謝料などが保険でカバーされ、他人の財物を壊してしまった場合は、その物の「時価額」をベースに賠償金が保険でカバーされます。

注意点として、元請ー下請間、下請ー下請間は、他人とはみなされないので、元請ー下請間、下請ー下請間で賠償事故が発生した場合、この保険の対象外になってしまいます。基本的な考え方としてはモノ損害なら建設工事保険で対応、ケガなら労災保険で対応ということになりますが、それでは不十分なケースも考えられますので、必要に応じて、元請ー下請間、下請ー下請間の賠償事故もカバーできる「交差責任特約」の付帯もしておくと良いでしょう。
(保険商品によっては自動的に交差責任担保になっているケースもある)

また、既存の建築物や機械設備等に対し、リフォームや何らかの設置・装飾・メンテナンス工事をすることもあります。基本的な請負賠償責任保険では、「所有、使用、管理」している財物の損壊は保険対象外になりますので、必要であれば、作業中に作業対象の財物を壊してしまっても保険が機能するように「作業対象物担保特約」や「管理下財物損壊担保特約」(保険商品によって呼称が異なる)などを付帯しておきましょう。

 

PL保険

PL保険は生産物賠償責任保険ともいわれ、作業が終わって引渡後のリスクをカバーするものです。

作業をした結果、作業(施工)ミスがあり、引渡後にそれが原因で他人がケガをしたり、他人の財物が損壊してしまった場合、その賠償金などを保険でカバーすることができます。

 

労災保険

建設現場においては政府の労災保険加入が義務付けられており、元請会社が下請会社の分までまとめて加入し、現場作業中のケガや現場へ向かう通勤中のケガをカバーします。

また、政府労災のみでは不足が生じると思われる場合などは上乗せとして、民間損保会社の労災総合保険や、傷害保険などに加入することになります。

 

設計士・建築家のための専門職業賠償責任保険

工事中や完成引渡後にその成果物に起因した対人・対物事故などが起きた場合、その原因は主に3つ考えられます。

・作業(施工)ミス
・建築資材・材料に瑕疵があった
・設計ミス

作業ミスは請負賠償責任保険や、PL保険でカバーします。
建築資材・材料に瑕疵があった場合、その資材メーカーに責任があるでしょう。

設計ミスが原因だった場合は、設計士・建築家のための専門職業賠償責任保険の範疇になります。
建築家協会では「建築家賠償責任保険(ケンバイ)」として損保ジャパンがセットものを募集していたり、他の損保会社でも何社かは同様の商品を扱っています。

保険の契約の仕方によっては、対人・対物事故が起きていない状態での設計ミスが発覚したときに、そのやり直しにかかる費用もカバーすることができる場合もあります。

 

事故原因責任者対応する保険
作業ミス施工者請負賠償、PL保険
建材・材料の瑕疵建材・材料メーカーPL保険
設計ミス設計士、設計会社専門職業賠責

 

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以上が建築工事に関わるざっくり網羅的な損害保険種類です。

また、引渡後は火災保険やその施設の賠償責任保険・・と保険は続いていくことになります。

 


(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款等をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。


 


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