損保 未来

20年後の企業向け損保はどうなる?

根拠も何もありませんが、20年後くらい(2040年前後)の日本の企業向け損害保険の取引がどうなるか、企業向け損保代理店として、保険種類ごと、取引形態など予測してみたいと思います。

20年後だとまだ私も現役だと思いますので、未来を予測しておくのはこれからの仕事の仕方にもつながるかもしれないということで・・(あくまで個人的予測です)

 

自動車保険


2045年ごろにはコンピューターが人間の脳を追い越すという”シンギュラリティ”に到達すると言われております。また、20年もすればいま走っている車の多くが入れ替わり、AIとかセンサー技術により事故が激減するでしょう。

いま日本では毎年4000人前後が交通事故で亡くなっていますが、それがゼロにはならないにしても、それに近いレベルになるかもしれません。

2040年頃ですとまだ、全ての車が完全無欠の自動運転にはなっていないので交通事故がゼロにはならないでしょうが、交通事故が激減するということは自動車保険市場も激減するということで、損害保険市場約9兆円のうち約5兆円(約55%)を占める自動車保険分野が100分の1くらいになるかもしれません。

損害保険会社の社員数も激減し、新卒採用は2030年頃からストップ、2040年には今の半分くらいの社員数になって平均年齢が相当高くなります。

または、社員の多くが海外新興国市場の損保市場に参入して保険会社の規模は維持されるかもしれません。いずれにしても日本国内の損保社員数は激減するでしょう。

ある損保会社の社長が最近の記事で、「将来的には自動車保険はなくなる=自動車事故がなくなるのが一番望ましい」と発言していましたが、やはり保険会社もそういう未来になることを想定しているようです。

 

火災保険


火災保険は、火災や自然災害、その他突発的な事故による財物損害や利益損害を補償する保険です。

いまでも「火災保険」という呼び方がスタンダードですが、もはや火災事故だけを補償する保険ではないので、保険商品名も、「企業財産包括保険」「企業総合補償保険」「企業財産総合保険」「企業財産保険」というように名称として火災保険とは謳わないようになっています。

2040年になっても、きっと火災や自然災害、地震などのリスクはなくなることはないでしょうから、火災保険分野はこのまま残るものと思われます。

総務省の推測によれば2040年頃でも日本の人口は1億人以上いますので、経済規模も縮小せず、商業施設や企業の生産活動に必要な施設も残るので、企業の火災保険市場規模は維持されると予測します。ちなみに個人法人合わせた損害保険料市場約9兆円のうち、火災保険料は約1.5兆円程(約15%)を占めています。

 

傷害保険、労災保険


政府労災の上乗せ保険として、従業員の業務上のケガ等を補償する保険。日本では今後ますます働き手不足になっていくので、こういった福利厚生的な保険はなくならないでしょう。

 

賠償責任保険


企業の生産活動規模や、日本の経済規模が今とあまり変わらないなら、施設賠償責任保険、PL保険、請負賠償責任保険、受託者賠償責任保険などの一般的な賠償責任保険は事業活動において必要な保険としてなくならないでしょう。

日本もだんだんと欧米のように訴訟社会化していっていると言われますので、特に以下の賠償責任保険はますます伸びていくと思われます。

・会社役員賠償責任保険
役員の誤った経営判断等によって会社が損害を被った場合、株主から役員個人が訴えられる等の場合に備えた保険。これに加入していない会社では社外から優秀な役員を迎えることができにくくなる

・E&O保険
対人・対物事故がない場合の賠償事故に備える保険。納品ミス、納品遅延、業務ミスなどによって取引先の利益を損なった場合にその賠償金を保険でカバー。企業間の契約が高度化していくためE&O保険のニーズが高まると思われる。

・雇用慣行賠償責任保険
不当解雇、パワハラ・セクハラなどによって(元)従業員から会社または当事者本人が訴えられた場合の保険。働き手不足により社員の権利主張が強まることでこういった訴訟も増えていく。

・サイバー保険
デジタルテクノロジーの進歩の社会への影響力増は避けられないので、サイバー攻撃を受けた場合に備える保険市場も必然的に伸びていく

 

企業の損害保険契約手続き


現在は、保険会社→保険代理店(仲介人)→保険契約者(企業)という代理店を介した取引が9割以上を占めていますが、現在の個人向けダイレクト自動車保険のように代理店を介さない割安な保険契約フローが開発されるかもしれません。

たとえば規模の小さい企業であれば、業種、売上、所在地、物件情報、過去の事故歴などを入力すれば、自動的に火災保険、賠償責任保険、傷害保険、サイバー保険あたりの保険に包括的に1証券でカンタンに割安な保険料で加入することができるようになりますので、そうなると保険代理店はほぼ不要になります。

また、今は紙で発行している保険証券や、パンフレット、約款もすべて電子化されペーパレスになります。申込もオンラインで完結し、紙としての保険契約申込書も請求書も保険料領収証もなくなります

一方、売上高が数十億円とか数百億円以上の大企業の場合、その事業形態によりリスク量を計りにくいため、一律的な損害保険ではカバーしきれず、ある程度のオーダーメードが必要なのは今と変わりません。

売上高が大きい企業は保険料も大きいので、各保険会社間の商品開発競争もシビアになり、代理店の役割は、各保険会社商品を比較し、その企業に最もフィットする保険を案内するという機能に集約されていくでしょう。

以上のことを踏まえると、国内損害保険市場は半分ほどに縮小、保険代理店も今は約20万店、募集人は約200万人いますが、半分くらいになるかもしれません。保険などは無形商材なので、より効率的に社会の役に立つべきで、規模が縮小しても、効果は維持または拡大ということを目指していかなければなりませんね。

 


(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款等をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。


 


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