金融広報中央委員会では毎年、家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]を行っています。
目的は以下2つ。
(2)家計行動分析のための調査データを提供すること
金融広報中央委員会は、昭和27年に(その前身が)発足、各都道府県、政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体等と協力しながら、日本の金融リテラシー向上のために活動をしています。
「知るぽると」という個人向けの役立つ金融情報・家計情報などを扱いサイトを運営しており、FP業界ではみんな知っていると思われます。たまにはFP以外の個人の方もサイトをのぞいてみると面白い発見があると思います。
平成29年の家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]の結果は?
1.調査時期・・・2017年6月16日(金)~7月25日(火)
2.調査対象・・・全国 8,000世帯(世帯主が20歳以上でかつ世帯員が2名以上の世帯)
3.回 収 率・・・47.1%
4.調査対象世帯の抽出方法・・・層化二段無作為抽出法
5.調査方式・・・訪問と郵送の複合・選択式
これはランダムに訪問したりしてアンケートを集めたのではなく、まず、各都道府県から無作為に8000の対象世帯を選び、そこへ調査票を持参して書いてもらう。または3回訪問して不在の場合は郵送にて返してもらうよう依頼。8000のうち、3771の有効回答が得られた、というもの。
だから、ある程度年代もバラバラで一定信憑性のある調査だといえます。
調査結果のうち関心のあるところをピックアップしてみます!
金融資産の保有状況
金融資産の保有額は、平均値は 1,151 万円と前回(1,078 万円)比増加した。中央値は、380 万円と前回(400 万円)比減少した。
平均値はすごい資産家も入っているのであまり参考にならないと思う。
金融資産保有額の中央値が380万円。なんか少ないよね。二人以上の世帯を対象にしているわけで、どうでしょう、感覚的には1000万円くらいあってほしいと思う。余裕ない中生活している家庭が多いことが想像されます。
借入金のある世帯
・当然、住宅ローンのための借入金が一番多く、65.5%
・それから、耐久消費財が23.6%
・こどもの教育費等11.2%
・日常の生活資金と、旅行・レジャーを合わせて12.2%
日常の生活資金を借り入れに頼るというのは健全といえないですよね。だからカードローン会社があれだけ存在するんですね。カードローン会社など不要な社会が理想的だと思う。
生活設計策定の有無
・生活設計を立てている36.7%
・現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである39.0%
うちのサイトでは、この2つの層が対象なのかな。
・現在生活設計を立てていないし、今後も立てるつもりはない22.9%
考える余裕もないか、考える必要もないくらい資産があるかのどっちかだろう。
老後の生活への心配
・心配である(非常に心配であると多少心配であるの合計)81.5%
・それほど心配していない17.8%
国民の8割超が老後を心配している国なんですね。
大丈夫?・・・じゃないよね。
結果的に大丈夫だったとしても、不安満載の国民を抱えていること自体が重要な課題なのでは?
「日本、安心!、楽勝!」みたいな人が多数派になる未来を希望します。
↓詳細はこちらから確認できます。
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成29年調査結果
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