保険金請求

損害保険と生命保険はどう違う?

保険というと一般の方にとっても、普段、企業で保険を担当されている方にとってすら分かりにくいものだと感じることがあります。

わたしも保険業界に入るまでは損害保険と生命保険の違いなど考えたこともありませんでした。

保険業界にいると、なんとなくですが、伝統的な生命保険会社は女性が活躍していて、損害保険会社は男性社会という違いもあるように感じます。(徐々に変わってきていますが。)

今回は損害保険も生命保険の違いについて考えてみたいと思います。(個人の見解が多分に盛り込まれています)

 

そもそも保険とは?

そもそも保険とは、多くの人から少しずつお金(掛金・保険料)を集めて、その人達のなかで不幸にも事故に見舞われた人の生活の質が落ちないようにと保険金が支払われる、という相互扶助の仕組みのことをいいます。

日々生活していれば、交通事故や火災、自然災害、死亡、など様々なリスクがあります。

それらの不安を金銭面だけでも安心を得られるというのが保険の一つの特徴でしょう。

「貯蓄は三角、保険は四角」とよく言われます。

貯蓄は時間とともに自身の資産が増えていきますが、十分に資産が増えていない段階で大きな事故に見舞われた場合、十分なリカバーができないかもしれないので、保険に加入するわけですね。

保険料は基本的に「大数の法則」によって計算されます。ある事故に対し、たくさんの統計があれば、その事故についての事故率と支払保険金額の予想ができます。

保険の損害率は一般的に5~7割程度と言われます。つまり、保険会社が集めた保険料のうち、5~7割が保険金として支払われ、残りは保険会社社員の給料や代理店手数料、または事業運営費、積立金(責任準備金)に充てられます。

競馬やパチンコ、カジノなどのギャンブルも全体の統計でいえば掛金の7割ほどを客に返しているとされます。その意味ではギャンブルも保険も似ていますが、保険は事故があっても通常の生活や事業運営を経済面で補てんするという意味において社会的役割を果たしているのかな、と思います。

 

生命保険と損害保険の違い

定額と実損
たとえば、生命保険のうち死亡保険なら被保険者が亡くなったらXXXX万円を保険金として支払うということを契約時に決めて、実際に亡くなった場合、その金額が保険金として支払われます。亡くなっても遺族が金持ちだから、少し減らして払う、とかそういうことはありません。

それに対して損害保険は、実損払いが多い商品です。

自動車保険で車両が損傷したら、基本的にはその修理代相当分が保険金として支払われます。事故が発生して、儲かっちゃった、ということは起こりにくい仕組みです。

たとえば何かの手違いで、火災保険に2つ加入していたとします。一方から修理代相当額を保険金として受取って、もう一方の保険からも同額を受け取ることはありません。その損害に対して、2つの保険から按分して払われるなど、いわゆる焼け太りにはならないようになっています。

病気もカバーするか否か
生命保険は、死亡保険、医療保険など、病気での死亡や入院もカバーする内容になっています。

それに対して損害保険は、病気もカバーするような保険商品は少ないです。

ケガによる入通院などをカバーする傷害保険は損害保険会社で販売されていますが、一部の保険商品に、病気もカバーするような特約をつけることができたりと、病気に対しては生命保険にその役割の多くが委ねられています。

傷害保険については損害保険会社で取り扱っていますが、ケガで死亡したらXXXX万円、入院したら日額XXXX円など予め契約時に定めた金額が支払われる商品が多いので、傷害保険は損害保険会社が扱っているけれど、定額払いの性格から生命保険に近い商品とも言われます。

保障と補償
ことばの違いだけなのですが、生命保険では「保障」という漢字が使われ、損害保険では「補償」が使われます。

損害保険は実損払いなので、損害を受けた部分について補う、という意味で補償という言葉がしっくり来るような気がします。

デジタル大辞泉によれば、保障とは、「ある状態がそこなわれることのないように、保護し守ること。」とあります。

損害保険も、ある状態を保つために保険金が支払われるわけですが、生命保険は「保障」、損害保険は「補償」という漢字が使われています。

契約年数の長さ
生命保険は短くても5年とか、10年契約が多く、長いと終身契約が可能な商品です。

それに対して損害保険はほとんどの商品で長くても10年契約が最長で、多いのは1年契約です。

たとえば、その日の行事だけに掛ける傷害保険や、その日のレジャーだけに掛ける保険、1日だけの自動車保険もあります。

生命保険は超長期契約、それに比べて損害保険は短い期間の契約が多いです。

したがいまして、生命保険は一度契約すると何もなければ営業職員はその顧客にずっと会わない、ということがザラです。対して、損害保険は、1年更新が多いので、割と頻繁に顧客との接触があります。

営業スタイルとして、生命保険は狩猟型、損害保険は農耕型とも言われます。

保険料交渉の余地
生命保険商品は、個人契約でも法人契約でもコンピュータで打ち出された保険料について、どんなに大きな契約だとしても、そこから1円も値引くことはできません。保険料に納得できないなら内容を劣化させるなど設計を変えるしかありません。

一方、損害保険は。
個人契約は保険料の恣意的な割引というのはありませんが、法人契約で一定以上のロットがあって、過去の損害率が良好で、他社対抗上などの条件が揃うと値引き(割引)ができる商品もあります。

面談の要否
生命保険は、アフラックの医療保険・がん保険や、ネット生保などを除けばほとんどの場合、契約にあたって、契約者および被保険者に取扱募集人が面談をすることが義務付けられています。保険金詐欺の防止、正しい告知のためです。

告知書では「まったく健康」と書いてあったのに、実際はひどい病気だった、ということがないよう運営されています。

一方、損害保険は、契約にあたって契約者または被保険者に面談が義務付けられている商品はほぼありません。

自動車保険なら車検証があればよく、わざわざその自動車を目視確認する必要はないです。火災保険でも正しく物件情報を捉えることができていれば、必ずしもその物件を見る必要はありませんし、たとえば全国にブランチがたくさんあるような企業の場合、全ての物件を目視することは現実的ではないでしょう。

賠償責任保険でも、対象となる企業を見るというよりも、どんな業務・どんなリスクをカバーするのか理解して保険設計をすることが重要になってきます。

 


(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款等をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。


 


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