水による被害は何保険でカバーされる?

水による損害

「水による被害」といってもいろいろあります。

洪水、高潮、漏水、津波・・・
これらは何保険が対応するのか確認してみましょう。

水による被害はそれぞれ対象物件の状態や事故形態により適用される保険が異なります。

 

目次

洪水で建物や機械設備が被害を受けた場合

洪水で被害を受けた場合の代表的なカバーは火災保険の「水災補償」です。
火災保険の水災補償は「洪水、高潮、土砂崩れ」による損害に対応します。

たとえば、火災保険の補償の有無は以下のように選択できたりします。

(※保険会社や保険商品によって差異があります)

水災補償はオプションになっていることも多いので、洪水が心配な場所に所有資産がある場合は、契約している保険が水災カバーが付帯されているか確認しておきましょう。

また、水災補償は損害額を100%補償してくれるタイプもあれば、
「床上浸水した場合」とか「地盤面から45cm超の浸水」とか「保険価額の30%以上の損害の場合」とか「最大でも70%までしか払わない」というタイプもあって、保険料と見比べて選択することが大事です。

 

自社所有の建物から漏水事故があって設備や什器備品が被害を受けた場合

自社の建物で、給排水管が老朽化し、水濡れ事故が起こるケースがあります。火災保険の「水濡れ」補償でカバーすることができます。

たとえば古い建物で営業をしており漏水事故が起きるかもしれないと思う場合は、「水濡れ」も補償対象になっているか確認しておきましょう。

地震による津波で建物などが被害を受けた場合

これは地震保険に加入していないと保険金は支払われません。
2016年度に契約または更新が行われた住宅物件を対象とした火災保険では地震保険の付帯率が62.1%だったそうです。(損害保険協会『ファクトブックより』)

企業の地震保険付帯率は1割程と言われています。

事業用物件に対する地震保険は、政府との共同事業である住宅物件に対する地震保険とは違い、損害保険会社は基本的に自社で地震リスクを負います(再保険を利用する場合もある)。

住宅物件に対する地震保険料はどの保険会社でも同じになりますが、事業用物件に対する地震保険料は保険会社ごとに異なります。事業用物件に対する地震保険料は割高になるケースが多く、企業が地震保険に加入しづらい状況といえます。

企業のBCP(事業継続プラン)の上でも地震保険に対するニーズは高いのですが、保険料が高いため事業用物件に対する地震保険はなかなか普及が進んでいないのが現状です。

2011年の東日本大震災のときも2018年の大阪府北部地震のときも、大きな地震があるたびに各企業から地震で被害があったが保険は払われるか?という問い合わせを受け、多くの場合、地震保険未加入のため「申し訳ございませんが保険対応はできかねる」という回答をせざるを得ないことになります。

ただし、事業用物件に対する保険会社の地震保険の引受スタンスは毎年変わります。年によっては、特定の保険会社が引受キャパシティを持て余してしまい、大安売りするケースもあります。事業用物件に対する地震保険を検討する場合は、保険料も高いですし、複数の保険会社見積もりを取得するのがおすすめです。

外へ持ち出し中の機械設備などが洪水被害にあった場合

外へ持ち出している機械設備などは基本的に火災保険の対象になりません。火災保険の対象になるのは、建物や建物内収容の機械設備・什器備品・商品製品などです。

外へ持ち出す機械設備などについては、動産総合保険でカバーすることができます。ただし、動産総合保険は何もしないと水災は対象外なので、オプションとして水災補償を付帯する必要があります。

漏水事故を起こしてしまって階下の他人に被害を与えてしまった場合

漏水事故を起こしてしまって、他人に物的被害を与えてしまった場合は、それを弁償する義務がありますので、保険の種類としては「賠償責任保険」となります。

賠償責任保険のなかでも、施設の管理や業務遂行に不備があった場合に適用されるのが「施設賠償責任保険」となります。

仮に加害者が個人だとして日常生活の中で階下へ漏水させてしまった場合の保険は「個人賠償責任保険」となります。

逆に漏水事故を起こされて自社が物的被害を受けた場合

上の例とは逆に、漏水事故を起こされて、被害者になってしまった場合は、基本的にはその復旧費用等について加害者側に賠償を求めるのが基本です。

ただし、賠償は基本的に「時価」ベースで計算されるため、被害物件の復旧費用が全額カバーされないケースもあります。

もし自社で加入している火災保険に水濡れ時の補償も付帯されていれば、その差額分について保険金を受け取ることができるケースもあります。

雨漏りで建物や設備が濡れた場合

雨漏りについては基本的に保険の対象外です。

損害保険金を支払うためには保険事故の要件として突発性(急激性)、偶然性、外来性が必要となります。

雨漏りは、老朽化により建物にヒビなどができて、雨がそこからしみ込んできた、とみなされます。つまり、突発性がなく、保険事故として扱えない、ということになります。

台風などで大雨が降ると、古い建物だと雨漏れが起こるケースがありますが、たとえばその台風で屋根の一部が破損して、結果的に雨が浸入してきた、などの因果関係があれば、火災保険の風災補償でカバーできる可能性があります。

微妙だと思ったら保険代理店や保険会社へ事故報告をして、調査してもらうようにしましょう。

ただし、気をつけなくてはならないのは、ないことをあることにして保険請求しようとすることは保険金の不正請求で犯罪になりますからご注意ください(請求を試みただけで犯罪となります)。

まとめ

水による被害といっても、どんな保険でカバーされるのかされないのか色んなケースがありますね。

保険契約時または更新時には、気になるリスクを洗い出して、それを保険化するのかしないのか比較検討することが大切です。

自社のリスクと保険については積極的に保険代理店や保険会社に意見を求めてみることも有効でしょう。そのうえで加入するべき保険とそうでない保険を切り分けて考えればよいと思います。

 


(注)記載のある各保険については一般的な内容の説明です。個別具体的な保険契約内容についてはパンフレットや重要事項説明書、約款等をご確認いただくか、保険代理店または保険会社へお問い合わせください。


 

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