住宅を購入するにあたって、現在パートや専業主婦、または育休中の妻が今後どれだけ収入を得ればよいか考えたい、というライフプラン相談を頂くことがよくあります。
購入が決まっている物件があるなら、ライフプラン表を作成し、生涯収支に不足でるようならば、その不足分を補うくらいの収入増を検討する、ということになります。
ここで大事なのは”バランス”であり、もし、生涯収支の不足分を補うくらいの収入UPが望めないとか、そんなに働くことはできない、ということであれば、購入する物件価格を下げるとか、生活費を下げる、その他支出を下げるなどの検討が必要になると思います。
これからの収入に見合わない高すぎる住宅ローン計画を立てていたり、逆に、老後やこれからの生活を心配しすぎて無理して働いたり、無理して節約をしているケースもあります。今の生活も将来の生活も納得感とか満足感が持てるようなバランスが大切ですね。
適切な収支のバランスを確認するためには、冷静にこれからの収入と支出を”見える化”して年間〇〇〇万円の収入を〇〇歳まで得られればOKと理解できると一定の安心感が持てると思います。
そうすれば過大な不安感がやわらいだり、無理な住宅購入を予め回避することもできます。
参考として以下のケースでシミュレーションしてみたいと思います。
<主な条件>
・夫婦とも33歳
・子供2歳
・1年後に第二子を予定
・夫会社員、手取り収入550万円(上昇率1.5%)
60歳から65歳まで400万円
・妻は専業主婦
・貯金800万円
・1年以内に4000万円のマンション購入を希望

この場合、住宅購入後、収支は非常に厳しく、普通預金はなかなか増えていきません。夫が定年退職金をもらうときには金融資産がいったん3000万円ほどになりますが、その後、どんどん資産が減っていき、”70代で枯渇”してしまうおそれがあります。
そこで、第二子が4歳くらいから妻が”年間200万円”の収入を得ることにしてみると以下のような金融資産残高のグラフになります。

妻60歳までの約20数年×200万円=4000万円強の改善効果になりますので、この場合、90歳時点でも資産が残りそうだということが分かります。
とくに住宅購入は、後戻りができない大きな買い物ですので、納得感のある収支シミュレーションをしておいて、それによって老後の収支が厳しいということが分かれば、早めに無理のない対策を検討することが必要かと思います。
一方、計画がずさんで無理な住宅ローン返済計画になってしまうと、最悪の場合、住宅を売却することにもなりかねません。どこまで収入があればいいとか、どこまで支出しても大丈夫かが分かれば、住宅費、生活費、その他支出や働き方について、納得感のあるバランスを見つけられる可能性が高まると思います。



コメント